サウナといえば、韓国には伝統的な「汗蒸幕(ハンジュンマク)」があります。15世紀頃の文献に出てくるほど古い歴史のあるこの汗蒸幕は、女性の全身の機能を高める美容健康法で、新陳代謝を活発にし、神経痛を軽くする他、美肌、肩凝りなどにも効果があるといわれています。汗蒸幕は幕(マク)という石造りのドーム型のサウナなのですが、この幕の中で松の木を燃やし、中が一定の温度に達したところで燃料に水をかけ、この時生じる水蒸気で浴室内を加湿するという方法で行われます。汗蒸幕にはシャワーで体を洗った後、狭い入り口から熱さよけの麻布を頭にかぶって入り、出たり入ったりを何度か繰り返しますが、中はかなりの高温。奥の方が温度が高く、入り口付近が温度は低めとなっていますので、自分の体調や熱さ加減に合わせて座る場所や時間を調節し、絶対に無理をしないことが大切。
この他にも、「チムジルバン」と呼ばれるサウナがありますが、これは「プルガマ」とも呼ばれ、麦飯石、玉、ゲルマニウムなどを700~800度の高温で加熱する際に出る遠赤外線を浴びるというもの。室内には浴槽がなく、受付で渡されるTシャツとショートパンツをはいて入り、そのまま汗を流しつつ体を休めます。また男女一緒に利用できるのも特徴で、老化防止や疲労回復、血液循環、皮膚美容などに効果があるとされています。チムジルバンは汗を流した後でもべたつく感じがなく、最後はシャワーを浴びるよりも自然に乾かしたり、タオルでふくのが効果的。また、サウナ施設の他に食堂やパソコンルーム、睡眠室、漫画・映画が楽しめるコーナーなどを備えた所もあります。